『銀と金』(福本 伸行)
ざわざわざわ…『カイジ』ではない、全てはここから始まった。
悪 VS 悪
人 VS 鬼
命 VS 金
並の神経じゃいられない。
見どころ
- 思いつかない!巧妙に練られたゲームやルール設定
- 予想できない!常軌を逸した魔物達との勝負の展開
- 普通じゃない!静かでいて迫力のある重たいセリフ
本の紹介
- 1992年~1996年に『アクションピザッツ』で連載
- 全11巻(休刊?)
主な登場人物
森田 鉄雄(もりた てつお)
- 主人公で一般人
- 素人ゆえの直感と強運を持っている
- 利には走らない
平井 銀二(ひらい ぎんじ)
- もう一人の主人公で通称「銀王」
- 裏社会のフィクサー
- 頭脳明晰で人のスキをつく天才
中条 明夫(なかじょう あきお)
- 猜疑心の強い画商
- セザンヌの絵には絶対的な鑑識眼を持つ
- 若い頃セザンヌの絵に心打たれ画家を志した
西条 進也(さいじょう しんや)
- 大企業の御曹司
- これまでの人生で負けてこなかったため、何かが壊れている
- プライドも青天井
蔵前 仁(くらまえ ひとし)
- 一大コンツェルン会長
- 常軌を逸した怪物
- 人を飼育し、人が崩壊していくのを楽しみとしている
あらすじ
競馬が外れ、その馬券すらお札に見えてしまうどうしようもない男森田。
そこに現れたのが銀二、偶然に出くわしたようだが実は違っていた。
日当10万円という破格のバイトを銀二から持ちかけられた森田は疑いつつも…。
銀二に仲間として引き入れられた森田はともに、今までにない経験をしていく。
株の仕手戦に始まり、連続殺人鬼の監視。
ここでの体験から森田自身は、普通の生き方ができなくなってしまう。
そして裏社会への道に進んでいく。
一旦、ある約束を交わし銀二と別れた森田は一人でお金を稼ぐことにする。
そこであったのが画商中条。
日々彼を観察していくなかで、ある方法が閃く。
猜疑心の強い彼からどうやってお金を奪うのか。
想像を絶するお金の使い方。
一度踏み入れたらもう戻れない、サンクコストの罠。
他人を信じられない人間は
とどのつまり自分を信じられない
信じることができない
次に青天井のポーカー戦
人として欠落している西條との勝負。
終わった気になるなよ
身を焼く勝負はこれから……!
そして、銀二と再開する。
狂気の麻雀編が始まる。
金がものをいうルール
人というより物の怪、常軌を逸している蔵前には誰も勝てない。
最後の一線は心に狂気を宿して初めて超えられる
死ぬことを決意しろ…!
道はそこから開かれる…!
銀二と森田
「銀」と「金」
二人の行き着く先には、一体何が…
人のスキをつけ……!
欲望が飽和点に達した時
人の注意力はもろくも飛散する……!
そこを撃て……!
感想
大学時代の先輩からすすめられました。
タイトルを聞いた時「将棋の話か?」
そして絵を見た時の衝撃!
「横顔のあごなんかカクカク過ぎだろ、誰でも書けそうな絵だな」
全く興味を引くところがなく、読む気になりません。
しかし、すぐに考えを改めざるを得ませんでした。
福本先生、ごめんなさい。
大変面白いです、面白すぎです。
こんなに面白いマンガがあったなんて。
もう絵で判断するのはやめます。(エリア88の件もあり)
みなさんもやめましょう。絶対に損をします。
こういったクセのある絵は最初に抵抗があります。
逆に受け入れてしまうとこの絵じゃないとってなりますよね。
お金を巻き込んだ人の本心をエグる、こういったテーマは福本先生は随一かなと。
とにかく、展開が読めなくて
次はどうなる…
次にどうなる…
ワクワクが止まりませんでした。
ふるえるぞハート!(ジョジョ)
麻雀編の銀二のあの手、本当痺れました。
今だからこそ読んでほしい
あの頃を思い出しながら、もう一度
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